とても良い質問です。結論から言うと、スイスチャードを絶対に食べてはいけないわけではありませんが、注意が必要です。
理由
スイスチャード(虹色ほうれん草)は、ビタミンK を豊富に含んでいます。ビタミンKは血液凝固に関わる重要な栄養素であり、次のような状況で問題になることがあります。
- ワルファリン(ワーファリン)などの抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用している人
- ワルファリンの効果はビタミンKの摂取量に大きく左右されます。
- 突然ビタミンKを多く摂取すると、薬の効果が弱まる可能性があります。
- 逆に、急に摂取を減らすと薬の効果が強くなりすぎ、出血のリスクが高まります。
どうすれば良いか?
✅ 医師や薬剤師に相談することが大前提です。
✅ 食事のビタミンK摂取量を一定に保つことが推奨されます。
✅ スイスチャードを食べる場合は、「食べる量や頻度を一定にする」「突然大量に食べない」ことが大切です。
目安
スイスチャードは100gあたり約800〜900μgのビタミンKを含むことがあり、これは成人の1日の推奨量(男女とも約150μg)の数倍です。そのため、例えば「毎日少量(例えば20g程度)」など、摂取量を医師と相談しながら決めるのが安全です。
スイスチャードのビタミンK含有量の目安表 と、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方のための食べ方アドバイス をまとめます。
🌿 スイスチャードのビタミンK含有量目安
スイスチャードの量 | ビタミンK含有量(μg) |
---|---|
10g(小さい葉1枚程度) | 約80〜90 |
20g(小鉢1杯程度) | 約160〜180 |
50g(付け合わせや炒め物1人前程度) | 約400〜450 |
100g(たっぷり1人前、大皿サラダ程度) | 約800〜900 |
※参考値:厚生労働省「日本食品標準成分表」およびスイスチャードの一般栄養分析データに基づく推定値。品種や栽培条件で差があります。
🍽 抗凝固薬を服用中の方への食べ方アドバイス
✅ 1日あたりの摂取量を一定に保つ
→ たとえば「毎日10〜20g程度を目安にする」など、急に増減しないようにしましょう。
✅ まとめて大量に食べない
→ 一度に100g以上食べると、ビタミンK摂取量が極端に増え、薬の効果に影響するリスクがあります。
✅ 調理法で工夫する
→ 油と一緒に調理するとビタミンKの吸収が高まるため、過剰摂取に注意。軽く茹でて少量を使うのが安全です。
✅ 医師・薬剤師に相談し、必要なら血液検査の頻度を増やす
→ 食生活に変化があったとき、INR値(血液の凝固具合の指標)を確認してもらうと安心です。
✨ おすすめの食べ方例(少量ずつ摂取する方法)
- 味噌汁の具に1枚だけ入れる
- 茹でて刻み、冷奴の薬味として少しのせる
- お浸しを小鉢1杯分にして、毎日同じくらいの量を食べる
- スムージーにごく少量(1/4枚程度)加える
スイスチャードと他の代表的な野菜のビタミンK含有量比較表を作成しました。量は生の状態での目安です(μg = マイクログラム)。
🌿 ビタミンK含有量(野菜別比較・100gあたり)
野菜名 | ビタミンK含有量(μg / 100g) | 備考 |
---|---|---|
スイスチャード(虹色ほうれん草) | 約800〜900 | 品種・栽培法で差あり |
ほうれん草 | 約270 | ゆでると減少 |
小松菜 | 約210 | 比較的ビタミンKが多い |
春菊 | 約250 | 独特の香りが特徴 |
キャベツ | 約78 | 量は少なめ |
ブロッコリー | 約180 | 茹でると減少(約110) |
レタス | 約50 | ビタミンKは控えめ |
水菜 | 約130 | サラダで使いやすい |
モロヘイヤ | 約640 | 非常に多い |
パセリ | 約820 | ビタミンKが特に多い |
💡 ポイント
- スイスチャードやパセリ、モロヘイヤは「ビタミンKが特に豊富な野菜」に分類されます。
- レタスやキャベツは比較的ビタミンKが少なく、抗凝固薬服用中の方でも量の調整がしやすい野菜です。
- 調理(特に茹でる、煮る)でビタミンKは水に溶け出し減少する傾向があります。
✅ まとめ
血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合、
👉 スイスチャードやモロヘイヤ、パセリは食べ過ぎに注意し、量を一定にする
👉 キャベツやレタスを多めに使い、バランスを取ると安心